October 18, 2009

小説「アライブ」


「ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス」(内山まもる)

先日はヒカリとファイタスの関係を書き始めたら、行き詰まりになってしまった。

その時は「あの話をファイタスがメビウスに説明してやる」と決めた。

何の理由で?


ヒカリ「メビウスやめろ!はやくそのヨロイをぬぐんだ!!」 メビウス「僕はどうなってもかまわない!だがジャッカル大魔王 おまえだけは絶対に倒す!!」
また「ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス」(内山まもる)

もちろん、こんな理由で。
ヒカリがメインっぽくな小説を描くのが好き明でした;;

タイトル: アライブ
投稿月日: 12/9/2009
ファンダム: 漫画「メビウス外伝」
ジャンルGenre: 一般/ドラマ
指定/注意: 酒の表現(?)あって、PG。 ウルトラマンと関係のあるキャラクターは全て(c)円谷プロダクション1966, 2009。メロス、ファイタスは内山まもる先生の制作キャラクターです。「ルシエン・カンデラ」「アイサルハル」や関係のある名前は、本作のものではありません。

キャラクター「ネンブ」「エチル」は、M787の う様 のオリジナルキャラクターです。使わせて下さって、ありがとうございました!
概要: 「僕たちは今、生きているんだね―」メビウス外伝「アーマードダークネス」(OVA+漫画)の後に繰り広げる話。メビウスはまたあの闇の鎧と絡んでしまって、ヒカリはあんまり嬉しくはない。

ジャッカル軍の最後はケガ人を抱えながら大空へ退散した。彼らはもう二度と光の国で顔を出さないのであろう。
メビウスはその消えてゆく背中を見届け、そのことを心強く祈りました。彼にも、もうジャッカルや身が飲み込まれかけたアーマードダークネスの破片ともう絡むことを願わない。あの鎧の全部が集えて、キット誰かの手に力を封じられるでしょう。それは勇士司令部の手か宇宙科学技術局の手で行われるものか、あんまりの疲れでどうでもよいことでした。
睡眠が必要、そして光室で超かにゃ済む事も悪くとは思わなかった。一瞬だったけど、メビウスは警備隊に入ってから初めて危険手当を要求しようと思いました。

「メビウス」ヒカリの声は執拗で低くて鋭く聞こえた。「大丈夫か?」

「大丈夫」、か。破壊光線で吹っ飛ばされたり建物の下敷になったり 斬られたり殴られたり鎧に同化させかけていた。彼も斬って打って反撃して、その短い数時間で半分の寿命が消されそうに戦った。それでもメビウスは頭を縦に振った。ヒカリもブラックホールに放り投げられそうになって、もっと危なかったところにいた。「はい、心配はないです。大した傷がない。」

「誰が心配していると言った?」けが人であれどヒカリは手をサッと出し、本人が思ったよりのりきりょうでメビウスを倒しかけるような一撃を後頭にお見舞いしまった。彼の目に冷たい怒りが燃えていた。メビウスはあんなに怒っていたヒカリをはじめて見たけど、あの視線には慣れている感じがした。ツルギの兜の後ろに幾度もそう睨まれていたと知るはずはなかった。
「正直に何を考えていた?またそんな真似をしたら俺は―!」ヒカリは最後の言葉を呑み激しく顔を背けて 足を引きずりながら他人と同じメディカルルームへ行き、痛む所が一つ増えた混乱している青年を後にした。

「メビウス、だな?」頭を擦りながら彼は振り向いた。傍らに立っていたのが兜の後ろに慰みで目を淡く輝かせていた鎧の戦士。メロス隊長の弟で、確か名前は…「ファイタスだ。まったく、ほんとうにルシ―いや、ヒカリの腹を立たせてくれたな。」

「ファイタスさんはヒカリを知っているのですか?」とメビウスはびっくりしたように問いました。

「命の恩人だからな。」明らかに本気で言った言葉だったけどメビウスの混乱をすこしも和らげなくて顔に丸見えでした。ファイタスはため息をついた。「銀十字でちゃんと体を診てもらってからまたここに会おう。お前、酒を飲むんだな?」

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「角と兜」のドアを通りながらファイタスは自分の兜を取り店のバーテンダーに手を振った。 「いつものとこいつにジョロキアを頼む!」

「アイッッッサ~」マスターはひげを通じて声をあげ、二つのガラスの球体を隅にあったテーブルに向かって投げた。その中の一つは鼻を突く煙に包まれていた。その一つこそをファイタスは励ましの音をしながらメビウスへ押した。

「あの…」

「お、これか。辛子と香辛料だけだ。体に火がつくぜ!」メビウスが球体のフタを取り猛火を一口飲みながら「まああの『化物辛子』デ名が付けられたもダテじゃない」と言い足した。
メビウスは金魚の真似がやっととめられて酒場の客があんまりの笑いで流した涙を拭いたら、ファイタスは自分のものを挙げた。「オレのおごりだ。兄貴と、その、姪っ子と戦ってくれてありがとう。あの二人は付き合いにくいタイプだから。」

「メロス隊長とアウラ隊長と共に戦えて光栄でした。」メビウスの声は自分に黒焦げになったと聞こえていた。「アウラ隊長のお父さんは、『二十八』の一人でしたか?」

「カル・かリムだ」とファイタスは怯まずに応えた。「いい奴だったが刃物関係な物じゃあがめちゃくちゃになってしまって…ああ、そうだ、アイサル・ハルの数人はオレが知っていた。」
宇宙警備隊長ゾフィー・ケンジンと共にジャッカルに立ち向かった28人に敬意を持って授けた名前を使って メビウスのびっくりした顔に応えた。
「共に学校を通って、共に修行をした奴も多かった。」ファイタスは飲み物をすすって怯み、話を続けた。「つまり、おまえのその青い友達に話しが回ってくる。俺がセブンに戦いを挑んだとは聞いたのか?」

「それはありませんね。」メビウスは頭を欲に振って答えた。ジャッカルが初めて宇宙を支配しようとしたときはまだ幼子で、その悪魔がブラックホールから脱誤記した時は学校から卒業するところでした。彼は恐怖、そして非難や沢山の心配を覚えた―でもその頃はやはりとても不安定な時代だった。
今となって考えてみると、頭がその頃の一番地味なものを覚えていると気づいた。

「ならよし。セブンに挑み続けてたな。断れたばかりだったが、兄貴メロスの頼みでやったやれることになった。俺の剣で、彼のアイスラッガー。スラッガーが勝った。そして俺が死んだ。」

「でもファイタスさんは…」メビウスはすばやく頭の中を引っ掻き回して正しい表現法を探した。「ファイタスさんはここにいる。」

「そう、俺はまだここにいる。科学技術局でエネルギーマトリックス…再構成機か再現機やら開発しあげようとした頃だった。医術は俺の領域じゃない。
とにかく目が覚めたらテーブルの上に敷き抑えられてルシエンと言う名の科学者が顔を見つめていた。最悪の目覚めだった。すぐそこでいい反論になった。実験台にさせられた俺が耳いっぱい怒鳴ったら彼が…ぁ…」ファイタスは言い過ぎたかもしれない事に気づき口篭ったが、メビウスは好奇心が起こされ話を押し進んだ。

「ヒカリがなにを…?」

「ガラス棒をとって手の甲を叩き、どやしつけた。」
実験装置でファイタスの手を叩いてる(プラス正に非難な表情をする)ヒカリのイメージが浮かんでメビウスが笑い出したら火が彼の喉をさかのぼった。ざまみろう、とファイタスの表情が言った。
「笑う事じゃない!その男は研究道具の鬼だ。ビューレットを出さなかったのが唯一の救い…」

「どうしてあんなに怒ったのでしょうか。」メビウスは半分残っていたジョロキアを見つめた。腹部のヒリヒリした感覚は少し長居するつもりを告げているように視線を返した。少なくても眠気と疲労がまったく消えた。

「俺に、か?それともお前に?あいつの助手、一人は二十八の兄弟だったらしいぞ。戦闘一つ二つも生き抜いたし、キット彼も沢山の死を見て生きてきた。それに…お前なら俺よりよく知ってるだろうな。彼もアーマードダークネスと絡んだことがあるだろう?」

「はい。あ、そうか…」メビウスは事情を分り始めて言った。
把握できる事でもう一度「そうか!」と大声で言った。
そして事情に悟って「そうか」と小さく言った。ヒカリだって、アーマードダークネスに囚われた事があった。

「赤の他人が命を捨てようとする事であんなにうるさかったら、仲間がそうやったらどうなると思った?ほら、ヒカリがウルトラの父をブラックホールから救い出そうとした!と言ったらどうなる?」
メビウスの表情が恐怖で満たされた。アーブギアはメロスとその弟が着ている鋼の鎧よりまったく強くはない。あんな状態で戦場に帰ってきたも無理ではない。
「あったぞ、その事。知らなかったのか?お前の顔を見れば、こっちだって今すぐ一発喰らわせてやりたいだろう。」

メビウスの声の音量と音程が上がった。「僕は…当たり前です!潰されてしまうのではっ―どうしてヒカリが…あれだけの事を生き抜いて…!」

「『どうしてあんなに起こったのでしょうか』って訊いたのは誰かな。」ファイタスはぐいと酒を飲み干してお変わりを持つようマスターに合図をした。メビウスは恥ずかしさを隠す為に一気に自分の物を飲み干した。
「お前は命を懸けても彼等が行きぬける欲しいだったろう。彼らのためにも、力が必要と知った。でもな、ヒカリがあの時に俺に何を言ったと思う?
『戦闘の中に最強の者じゃなくてもよい。最後に生き残るものだけでいい。そんな事を、周りの人が望んでいる。お前は彼等が行き続けるのを願って、彼らはお前に同じものを願う。』」

「僕たちは今、生きているんだね。」その返事は弱しくてまるで観念過ぎるでした。

「ああ、生きてるさ。痛いほど命を燃やしている。それが生きる事だ。それでどうするのだ、坊?」

「…分りません。」メビウスは何も考え出せなくて経験に負う事にした。「どうすればいいでしょうか?彼…ヒカリにビューレットで追い回されてしまうかも知れません。」ファイタスは短く鋭く笑い出した。

「怒りもジョロキアも三日内にさめる。そのときを使って道を選ぶといい。忠告したはずだったが、あんなものを一気に飲んじゃいけない。明日の二日酔い、激しいぞ。」
確かに激しかった。

幾つの冷たいシャワーや深い考え込みの果てに、解決があったと思いました。

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「いつまでも彼に起こってはいられないだろう」とメガネをかけているポッチャリした男が言った。彼の声に、少しだけのたしなめが聞こえていた。

「起こってはない、ネンブ。」ヒカリはまったく無表情で空中に投影された映像から目を放さずキーボードを乱暴に打ちながら答えた。「私はただガッカリしているのだ。」

「いつまでも彼にガッカリしてもいられないだろう。」
ネンブはヒカリが宇宙技術局に勤めていた頃から部下でおり、それに上司より年上でした。そういうわけで言いたい事があれば率直で言う。あるときは率直過ぎる、とヒカリは不機嫌に思った。「ああ、そうです先生。勇士司令部はすでにアーマードダークネスを回収したそうです。もう何体が残っているのかは分りませんが、これを解体できれば…見に行こうか?」

「見なくてよい。」その返事がキッパリで速かった。速過ぎそう。その二つの言葉で彼の頭の片隅に激しく心地悪い足掻きが発動される。しかも最近の出来事でそれが悪化させた。今はその呻くすさまじい鉄の塊を長時間見たくはなかった。「司令部の速やかな行動に私からも礼を伝えてくれ。」

「了解した」

「先生!」もう一人の助手が何かを手に抱えて走ってきた。「届け物です。メビウスからの」

「は?いや、ありがとう、エチル。」結びと解きふろしきを開いたら、中にカレーの香りをしていた弁当箱があった。やはりメビウスからのものだ。
上に付いてたノートはこう言った:「外で待っています。会ってくれませんか?」

ヒカリはしばらく包みを見つめ、部下二人を見つめた。あんなに期待している顔を見ては困っていた。「エチル このカレーは君の料理ではないか?」ととても穏やかに尋ねた。

「メビウスを、その、少し助けただけなのです。」いくら恥ずかしそうな顔をしようとしたけど、彼女には無理でした。

「ほら。今からどうします、先生?」とネンブが訊いた。

ヒカリは少しためらい、静かに「晩御飯にする」と答えた。

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メビウスが確かに(もう一個の弁当を持って)外で待っていて、二人は崩れた建物の横に食事をして通りすがっている人を見て 穀物と肉と香辛料より沈んでいるスパークの光と暖かさを味わっていた。やがてヒカリはスプーンを下ろしてそっと溜息をした。「ずいぶんと変わった謝り方だな。」

「心がこめていないと思われて、心配していたんだ。本当に、心配をかけてごめんなさい。」

「いや、そんな必要はない。」どうやらもう「ガッカリ」はしていなかったらしい。「俺からも謝る。あんなに八当たってもいけなかった。でも君の命だって、君だけの物ではないぞ。君だからこそ、アーマードダークネスの能力をよく知っているはず。見たこともあったのに命を懸けた。」

「そう。でもウルトラの父を救うため光がブラックホールに飛び込んだとファイタスさんが言いましたよ」

ヒカリはイライラしたそうな鼻息を出した。「あの男、前からバカだったな。アレとこれは違う―」

「どこが?」特に強い理屈が浮かばなくてヒカリは黙り込んだ。「僕と同じ失われるところだった。そんな事があったら、どうなる?」とメビウスは自分に話しているような小さい声で言い足した。明かりが消えたばかりで星を見せるのにまだ暗くなかった空を見上げた。「まだ大切な人を死ぬのを見たくない。本当に、まだ見たくない。準備ができていないから」

「それは誰だって同じだろう。」ヒカリのその視線がどうも疲れて悲しくて老いたように見えた。「俺も君も死を幾度見たことがある。追いかける必要などない」と言いながらメビウスの肩に手をかけ、そっとつかんだ。「もうあんな無茶な事をするな。頼む。」

「それはできないと知っているのに」と彼がそっと答えた。「どんなに望んでもヒカリだって、そんな約束は守れない。」もう人気がなくなっている街、そして近くにあった窓の霞んだ明かりを見渡した。風に声の音が乗り、彼に突然元気が戻った。「だけど、これなら…」バッと飛び上がって、片手を天高く上げました。

「メビウス一体何を―」

「高天に誓ってこのメビウスはできるだけ長く できるだけ良く できるだけ周りの人を守って生きていきます!」と明瞭な声で明言した。ヒカリはまったく唖然した表情でメビウスをじっと見つめた。「どうですか?」

しばらくの間は恐ろしいほどに音が立たなかった―
と思ったら、ヒカリが笑い始めた。それは、メビウスが久しぶりに聞こえなかった音。
「ああ、それで結構だろうな。」もうちょっと穏やかに席を立ち、片手を上げた。「そし高天に誓ってこのヒカリと申すものはできるだけ長く できるだけ良く…」彼がしばらく口篭った。「…出来るだけ知識を集めて生きてゆく。」

「人を守って!」

「一切衆生を守ろうとして。」と言い足して、一瞬震えた。「死の近くにいるものは、いっそう強く生きねばならん。でも夜は冷えてる。今の所、自分の体調を崩さない方がよさそう。」

「体を暖まるものなら、僕は言い考えがある。」

「またカレーじゃないと言ってくれ」

「カレーではないのです。約束します。」とメビウスは熱烈に答えた。

二人はジョロキアをすすりながら夜を過ごし(ヒカリが慎重に飲んでねと何度も言われながら)星を数えとても普通な会話をした。それは、作戦と戦と怪獣の間にあったとても地味なものを話していた。その短い時間おなか、いつでも死と向き合ってる戦死の二人は、ただ生きていて良かったと感じた。

ヒカリの体温が二日も下がらなかったのは、別の話になりますけど。
[+/-] 「…戦闘の中に最強の者じゃなくてもよい。最後に生き残るものだけでいい。そんな事を、周りの人が望んでいる。…」

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